たがやさん

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銘木「鉄刀木」の魅力

鉄刀木(たがやさん)は、マメ科の広葉樹で、まるで鉄の刀のように堅い木です。その名の由来もこの硬さにあります。原産地は東南アジアの熱帯地域で、日本では古くから高級家具の材料として重宝されてきました。特に、床柱や仏壇など、家の重要な部分に使われてきた歴史があります。 鉄刀木の魅力は、何と言ってもその類まれな堅さと耐久性です。長い年月を経ても劣化しにくく、世代を超えて使い続けられることから、家宝として大切に受け継がれてきた例も少なくありません。さらに、鉄刀木は独特の美しい木目を持っています。「タガヤ目」と呼ばれるこの木目は、縞模様や渦巻き模様が複雑に絡み合い、見る者を魅了します。木材の色は濃い茶色から黒褐色で、使い込むほどに深みが増し、独特の光沢を帯びてきます。 紫檀、黒檀と並び、唐木三大銘木の一つとして数えられる鉄刀木ですが、成長速度が非常に遅いため、良質な木材は近年ますます入手困難になっています。現在では輸出にも制限がかかっており、希少性が高まる一方です。そのため、鉄刀木で作られた家具や工芸品は、非常に高価で取引されています。 入手困難な素材であるからこそ、鉄刀木で作られた品には独特の風格と重厚感が漂います。それは、単なる物の価値を超えた、歴史と伝統を感じさせる風格です。鉄刀木を持つということは、自然の恵みと職人の技への深い敬意を表すことでもあり、所有する喜びを満たしてくれるでしょう。まさに、一生物として大切にしたい逸品と言えるでしょう。