
隠れた輝き:インビジブルセッティングの魅力
石の置き方ひとつで、その輝きや美しさは大きく変わります。今回は、数ある石の配置方法の中から、隙間なく石を並べる技法について詳しく見ていきましょう。
この技法は、特に四角い形に整えられた宝石、とりわけダイヤモンドを敷き詰める際に用いられます。まるで大きな一枚の宝石のように見えるのが特徴で、金属の枠の中に宝石がぴったりと収まります。石と石の間には金属が見えず、まるで繋がっているかのような一体感を演出します。
この配置の最大の利点は、光の透過にあります。従来の石留めのように、爪や枠で石を固定すると、光が遮られてしまう部分が出てきます。しかし、この技法では、光が遮られることなく石全体を透過するため、石本来の輝きを最大限に引き出すことができます。まるで内側から光を放っているかのような、吸い込まれるような輝きは、まさに圧巻です。
一体どのようにして、石を固定しているのでしょうか。その秘密は、石の裏側に彫られた小さな溝にあります。それぞれの石の裏側に精密に溝を彫り、そこにレールを差し込むことで、石を固定します。この精巧な構造こそが、石の表面を滑らかに一体化させ、まるで魔法のように宝石を浮かび上がらせているのです。
高度な技術を要するこの技法によって、石の美しさは最大限に引き出され、見る者を魅了します。まさに、職人技の結晶と言えるでしょう。