エドワーディアン

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デザイン

エドワーディアンジュエリーの魅力

エドワード七世の治世期、1901年から1915年頃までの時代は、エドワーディアン時代と呼ばれています。ちょうどヴィクトリア女王の晩年から第一次世界大戦が始まる少し前までの期間に当たります。この時代は、イギリス国王エドワード七世の名前から名付けられました。イギリスの王様の名前が付けられた最後の宝石の時代として、ヨーロッパの急速な発展と豊かさの増大を象徴する時代でもあります。 エドワーディアン時代の宝石は、繊細な飾りつけと上品なデザインが特徴です。後のアールデコに見られるような幾何学模様を取り入れたデザインが現れ始める少し前の時代であり、曲線を主体とした流れるようなデザインや、自然を題材としたモチーフ、レースのような透かし細工など、優雅で女性らしい雰囲気が好まれました。プラチナが宝飾品に広く使われるようになったのもこの時代です。プラチナは強度が高いため、繊細な細工や石留めが可能になり、ダイヤモンドの輝きを最大限に引き出すことができました。 ダイヤモンドや真珠、サファイア、エメラルドなどの宝石が贅沢に使われ、豪華絢爛な宝飾品が数多く作られました。特に、ダイヤモンドは、その無色透明な輝きが時代の豊かさを象徴するものとして人気を集めました。ガーランドスタイルと呼ばれる、花や葉、リボンなどをモチーフにしたデザインも流行しました。これらのデザインは、自然の美しさや生命力を表現し、当時の女性たちの間で大変な人気を博しました。 エドワーディアン時代は、古き良き時代の最後の輝きとも言われています。第一次世界大戦の勃発により、ヨーロッパは大きく変化し、人々の価値観も大きく変わりました。華やかで優雅なエドワーディアン様式の宝飾品は、その後の時代には見られない独特の魅力を放ち、現代においてもコレクターたちの間で高い人気を誇っています。