
炭素繊維:未来を彩る鉱物
炭素繊維は、アクリル繊維などを原料として、高温処理によって作られる繊維です。細い糸状の炭素の集まりでできており、まるで黒曜石のようにつややかな黒色を帯びています。この繊維は驚くほど軽く、同じ体積の鉄と比べると約4分の1ほどの重さしかありません。それでいて強度は鉄の10倍にも達し、引っ張る力や衝撃にも非常に強いという、相反する性質を併せ持っています。
炭素繊維の歴史は意外と古く、今から150年以上も前、電球の発明で有名なトーマス・エジソンによって発明されました。エジソンは電球のフィラメント材料として炭素繊維を利用しようと研究していました。その後、長い年月をかけて改良が重ねられ、現代の炭素繊維が誕生しました。初めは飛行機やロケットなどの航空宇宙産業で使われていましたが、次第にその優れた特性が様々な分野で注目されるようになりました。
近年では、身近なところでも炭素繊維を見かけるようになりました。釣竿やゴルフクラブ、自転車のフレームなどに使われており、軽くて丈夫な道具を作るのに役立っています。さらに、その美しい黒さと独特の質感が評価され、ネックレスや指輪、時計などの装身具にも使われるようになっています。金属アレルギーの原因となる金属を全く含まないため、肌の弱い人でも安心して身につけることができます。また、軽くて丈夫なので、毎日身につける装身具としても最適です。まさに未来を担う素材と言えるでしょう。