キンバーライト

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ダイヤモンド

ダイヤモンドの母岩:キンバーライト

キンバーライトとは、マグマが冷え固まってできた火成岩の一種で、宝石の王様であるダイヤモンドの主要な母岩として知られています。地球の奥深く、150キロメートルから400キロメートルという深さにあるマントルという高温高圧な場所で生成されます。このマントルは、かんらん岩を主成分とする岩石でできており、キンバーライトもまた、かんらん岩を主成分としています。キンバーライトは、まるで地下深くから貴重な贈り物を運ぶカプセルのような役割を果たし、火山活動によって地表に噴出します。この噴出の過程は非常に特殊で、音速を超える速さで上昇すると考えられています。地上に達したキンバーライトは、その形からパイプ状鉱床と呼ばれ、ちょうどニンジンを逆さにしたような円筒状の形をしています。 キンバーライト自体は、黒っぽい色合いから、黒っぽい色をしたものを意味する「青」という漢字を用いて、青岩と呼ばれることもあります。含まれる鉱物の種類によってさまざまな変種が存在し、ダイヤモンド以外にも、ガーネットやスピネルといった鉱物が含まれていることがあります。これらの鉱物は、キンバーライトがどのようにしてできたのか、ダイヤモンドがどのようにして生まれたのかを探る上で重要な手がかりとなります。まるで、探偵が現場に残された証拠を集めるように、鉱物の種類や成分を分析することで、地球内部の活動やダイヤモンドのでき方といった謎を解き明かすことができるのです。キンバーライトの存在は、ダイヤモンド鉱床の発見に直結するため、地質学者や鉱山会社にとって非常に重要な探査対象となっています。世界各地でダイヤモンド鉱山の探査が行われており、キンバーライトの発見は、まさに宝探しのような興奮と期待をもたらします。
イエロー系

黄色の大地、イエローグラウンドの謎

大地の奥深く、燃え盛るマグマのエネルギーが、きらめく宝石を生み出します。宝石の多くは、火山の噴火によって地表に姿を現しますが、中でもひときわ輝くダイヤモンドは、特別な旅路をたどります。ダイヤモンドの物語は、キンバーライトと呼ばれる岩石から始まります。この岩石は、地球の奥深くで生まれたダイヤモンドを、噴火の勢いに乗せて地表へと運び出す、いわばダイヤモンドのゆりかごと言えるでしょう。採掘されたばかりのキンバーライトは、地球の脈を流れる血液を思わせるような、青みを帯びた色をしています。このため、「青い大地」を意味する「ブルー・グラウンド」とも呼ばれています。ダイヤモンドはこの青い大地の中で、長い眠りについているのです。 しかし、永遠にこの青いゆりかごに留まっているわけではありません。地球の営み、風雨にさらされることで、キンバーライトはゆっくりと変化を始めます。表面は青色から黄色へと変わり、名前も「黄色い大地」という意味の「イエロー・グラウンド」へと変わります。まるで果実が熟していくように、長い時間をかけて新たな姿へと生まれ変わるのです。この黄色の変化は、ダイヤモンド探しの重要な手がかりとなります。熟した果実が豊かな恵みをもたらすように、黄色く変色した大地は、ダイヤモンドがすぐ近くに眠っていることを教えてくれるのです。地球の長い歴史の中で、大地の色が変化していく様は、まさに宝石探しの道しるべと言えるでしょう。ダイヤモンドという貴重な贈り物は、地球の壮大な営みと、大地の変化が生み出す奇跡なのです。