
ダイヤモンドの母岩:キンバーライト
キンバーライトとは、マグマが冷え固まってできた火成岩の一種で、宝石の王様であるダイヤモンドの主要な母岩として知られています。地球の奥深く、150キロメートルから400キロメートルという深さにあるマントルという高温高圧な場所で生成されます。このマントルは、かんらん岩を主成分とする岩石でできており、キンバーライトもまた、かんらん岩を主成分としています。キンバーライトは、まるで地下深くから貴重な贈り物を運ぶカプセルのような役割を果たし、火山活動によって地表に噴出します。この噴出の過程は非常に特殊で、音速を超える速さで上昇すると考えられています。地上に達したキンバーライトは、その形からパイプ状鉱床と呼ばれ、ちょうどニンジンを逆さにしたような円筒状の形をしています。
キンバーライト自体は、黒っぽい色合いから、黒っぽい色をしたものを意味する「青」という漢字を用いて、青岩と呼ばれることもあります。含まれる鉱物の種類によってさまざまな変種が存在し、ダイヤモンド以外にも、ガーネットやスピネルといった鉱物が含まれていることがあります。これらの鉱物は、キンバーライトがどのようにしてできたのか、ダイヤモンドがどのようにして生まれたのかを探る上で重要な手がかりとなります。まるで、探偵が現場に残された証拠を集めるように、鉱物の種類や成分を分析することで、地球内部の活動やダイヤモンドのでき方といった謎を解き明かすことができるのです。キンバーライトの存在は、ダイヤモンド鉱床の発見に直結するため、地質学者や鉱山会社にとって非常に重要な探査対象となっています。世界各地でダイヤモンド鉱山の探査が行われており、キンバーライトの発見は、まさに宝探しのような興奮と期待をもたらします。