
天珠:チベットの聖なる石
天珠とは、チベットの仏教において、聖なるお守りとして大切にされてきた、特別な模様が描かれた石です。ジービーズという別名でも知られており、その歴史は非常に古く、数千年も前にさかのぼると伝えられています。
主な材料は瑪瑙(めのう)という石で、円筒形や球形に加工されます。その表面には、特別な液体を使って縁起の良い模様が描かれています。これらの模様は、白い地に黒い模様、黒い地に白い模様といった簡素なものから、複雑で色鮮やかなものまで実に様々です。そして、それぞれの模様には異なる意味や力があると信じられてきました。
天珠は、単なる飾りではありません。身につける人を災いから守り、幸運を招く力を持つ聖なる石として、チベットの人々の暮らしに深く関わってきました。古くから伝わる言い伝えには、天珠を持つことで、健康や長寿、富や幸福が授けられるとされています。また、天珠は持ち主の潜在能力を引き出し、精神的な成長を促すとも信じられています。
天珠の模様は、チベット仏教の教えに基づいており、仏様や神々、曼荼羅などを象徴しています。例えば、蓮の花の模様は清らかさを、龍の模様は力強さを表しています。これらの模様は、天珠の力と意味をより深く象徴するものとなっています。
天珠は、チベットの人々にとって、単なる石ではなく、信仰の対象であり、心の支えです。その神秘的な模様と力に魅了され、大切に受け継がれてきた天珠は、今もなおチベットの人々にとって、特別な存在であり続けています。そのため、天珠は高価なもので取引されることが多く、偽物も多く出回っています。天珠を手に入れる際には、信頼できるお店で購入することが大切です。