スインドルカット

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ダイヤモンド

輝きを犠牲にした石:スインドルストーン

スインドルストーンとは、宝石の王様とも言われるダイヤモンドを研磨する際、そのきらめきよりも大きさ、つまり重さを優先した結果生まれる、独特の形をしたダイヤモンドのことを指します。宝石の重さを表す単位であるカラット数を出来るだけ多く残そうとした結果、本来の輝きが失われてしまうことから、「詐欺」を意味する「スインドル」という言葉が用いられています。 ダイヤモンドの輝きは、光がどのように石の内部に入り、反射して私たちの目に届くかによって決まります。光をうまく反射させるためには、緻密に計算された角度で研磨する必要があります。ダイヤモンドの上部、平面になっている部分をテーブル、テーブルの周りを囲む傾斜部分をクラウンと呼びますが、スインドルストーンは、このクラウン部分が低く、テーブル部分が広く、まるで薄い板のような形をしています。標準的な輝きを持つダイヤモンドと比べると、クラウンの高いダイヤモンドは光を内部で反射させ、きらめきを生み出しますが、クラウンの低いスインドルストーンは光をうまく反射させることができず、輝きが鈍ってしまいます。 ダイヤモンドの価値は、大きさ(カラット)、色、透明度、そして輝きといった要素で評価されます。スインドルストーンは、カラット数を優先することで、他の要素、特に輝きを犠牲にしています。同じカラット数のダイヤモンドでも、輝きの強いものと比べて価値が下がるのはそのためです。研磨する人は、原石から少しでも多くのカラット数を確保するために、この研磨方法を選びます。一見大きなダイヤモンドに見えますが、輝きが弱いため、実際よりも価値が低いことが多いのです。スインドルストーンは、研磨方法によって生まれるもので、人工石や偽物ではありません。しかし、その名前が示すように、消費者を欺く可能性があるため、購入する際には注意が必要です。ダイヤモンドの輝きをよく確認し、疑問があれば専門家に相談することが大切です。