
クイーンズランドの黒い星
黒く輝く巨大な宝石「クイーンズランドの黒い星」。その名の通り、オーストラリアのクイーンズランド州で発見されたこの石は、1930年代、人々の前に姿を現しました。発見当時は733カラットという驚異的な大きさを誇り、世界中の人々を驚かせました。この石はサファイアの一種で、その中でも特に「星彩サファイア」と呼ばれています。星彩効果とは、石に光を当てた時に、まるで星のように輝く線が現れる現象のことです。「クイーンズランドの黒い星」も、光を当てると六本の美しい線が浮かび上がり、見る者を魅了します。その大きさから、発見当時は世界最大の星彩サファイアだと考えられていました。人々はこの黒い星に魅了され、その神秘的な輝きに賞賛を送りました。しかし、時は移り変わり、スリランカで「アダムの星」と呼ばれる1404.49カラットの青い星彩サファイアが発見されました。この青い星の出現により、「クイーンズランドの黒い星」は世界最大の称号を譲ることになりました。しかし、その存在感は今もなお色褪せることはありません。クイーンズランドの黒い星は、深い黒色の中に浮かび上がる六条の星、そして、かつて世界最大と称されたその大きさ。これらが織りなす独特の魅力は、今でも多くの人々を惹きつけています。時代が変わっても、人々の記憶に刻まれたこの黒い星は、これからも静かに、そして力強く輝き続けることでしょう。