
神秘の石、スパイダーウェブオブシディアン
黒曜石は火山が噴火した際に流れ出た溶岩が、冷えて固まることでできる岩石です。まるでガラスのような光沢を持ち、黒色のものが一般的ですが、含まれる鉱物や微量元素によって色のついたものも存在します。例えば、鉄分を多く含むものは深い赤色や茶色になり、マホガニーオブシディアンと呼ばれます。
黒曜石の特徴の一つに、割ると鋭い貝殻状断口になることが挙げられます。この性質を利用して、旧石器時代から石器の材料として利用されてきました。矢じりやナイフ、斧など、生活に必要な道具として重宝されてきた歴史があります。現代でも、その鋭さを活かして、外科手術用のメスにも用いられています。
黒曜石には様々な種類があり、中でもスパイダーウェブオブシディアンは、まるで蜘蛛の巣のような模様が特徴です。この模様は、溶岩が冷えて固まる過程で、内部にひび割れが生じ、そこに別の成分が入り込んで固まることで生まれます。白い模様がまるで蜘蛛の巣のように見えることから、この名前が付けられました。別名でネットオブシディアンとも呼ばれており、その独特の模様から、神秘的な力を持つ石として珍重されています。
同じようにひび割れ模様を持つ種類に、スノーフレークオブシディアンがあります。こちらは、黒地に白い斑点模様が特徴で、まるで雪が舞っているように見えることから名付けられました。この白い斑点は、クリストバライトと呼ばれる鉱物で、黒曜石が形成される過程で結晶化したものです。
このように、黒曜石は、その生成過程や含まれる成分によって、様々な模様や色合いを持つ、魅力的な石です。古くから人々の生活に役立ち、現代でもその美しさや神秘性から多くの人々を魅了し続けています。