タングステン

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技術

ホウ砂:鉱物から宝飾品へ

ほう砂とは、自然に存在する鉱物の一種で、水に溶けやすい白い粉のような物質です。正式な名前はホウ酸ナトリウム十水和物と言い、十個の水分子を含んでいることが特徴です。古くから様々な使い道があり、現代でも宝飾品作りだけでなく、幅広い分野で利用されています。 宝飾品作りにおいて、ほう砂ははんだ付けの際に欠かせない材料です。金属を接合する際、ほう砂を「フラックス」として使うことで、金属の表面が空気中の酸素と反応して錆びてしまうのを防ぎます。このおかげで、金属同士がきれいにくっつき、美しい仕上がりになります。また、ほう砂には金属表面の汚れを落とす作用もあり、宝飾品本来の輝きを取り戻すためにも役立ちます。 ほう砂は洗浄剤として、油汚れや水垢などを落とす効果も期待できます。洗濯の際に洗剤と一緒に使うことで、衣類の汚れ落ちを良くしたり、洗濯槽の汚れを防いだりする効果も期待できます。また、ガラスの原料としても使われており、耐熱ガラスや光学ガラスなどの製造に利用されています。さらに、ほう砂には防腐効果や殺菌効果もあるとされ、木材の防腐処理にも使われています。 このように、ほう砂は様々な特性を持つ有用な鉱物です。しかしながら、大量に摂取すると人体に悪影響を及ぼす可能性があるため、取り扱いには注意が必要です。特に小さなお子様がいる家庭では、誤って口に入れないように保管場所に気を配る必要があります。適切な使い方をすれば、生活の様々な場面で役立つ、大変便利な物質と言えるでしょう。
金属系

タングステン:驚異の金属

タングステンは、元素記号Wで表される、原子番号74番の元素です。周期表では第6周期、第6族に位置し、クロムやモリブデンと同じ族に属しています。金属としては灰白色の光沢を持ち、重く硬い性質を持っています。比重は19.3と高く、金や鉛よりも重いです。 タングステンの最も特筆すべき性質は、その高い融点です。摂氏3422度という融点は、あらゆる元素の中で最も高く、この高温に耐える性質が様々な分野での応用を可能にしています。さらに、沸点も摂氏5930度と非常に高く、これもまた既知の元素の中で最高値です。この驚異的な耐熱性から、高温環境下での使用に最適な材料と言えるでしょう。 タングステンの用途は多岐に渡ります。高い融点と耐熱性から、白熱電球のフィラメントとして広く知られています。高温でも蒸発しにくいため、長寿命の電球を実現できます。また、電気抵抗も比較的高いため、電気を流すと発熱し、明るく光るのです。 その他にも、タングステンは合金の材料としても重要です。鉄やニッケル、コバルトなどと混ぜることで、非常に硬くて強い合金を作ることができます。これらの合金は、工具や金型、切削工具などに利用され、工業分野で重要な役割を担っています。また、近年では、電子部品や航空宇宙産業など、先端技術分野での需要も高まっています。 このように、タングステンは高い融点と耐熱性、そして様々な合金への応用可能性から、現代社会において必要不可欠な金属と言えるでしょう。今後も更なる研究開発によって、新たな用途が見出されることが期待されています。