
人工宝石の輝き:キュービックジルコニア
立方晶ジルコニアは、人工的に作り出された美しい石です。そのきらめきは天然のダイヤモンドによく似ており、よく比較されますが、硬さや生成過程など、石が本来持っている性質は全く違います。
立方晶ジルコニアの主な材料はジルコニウムという金属の酸化物です。高温でジルコニウム酸化物の粉末を溶かし、ゆっくりと冷ましていくことで、まるで氷砂糖を作るように結晶を成長させていきます。ジルコニウムの鉱石であるバデレイ石の中にも、ごくまれに立方晶ジルコニアが自然に生まれることがありますが、現在市場で目にできる立方晶ジルコニアは、ほぼ全てが人の手で作られたものです。
製造は、精密に温度や湿度などを管理できる研究室のような場所で徹底的に管理された環境のもとで行われます。そのため、不純物が入り込む余地がなく、非常に透明度の高い石を作ることができます。ダイヤモンドのように高い透明度を持ちながら、ダイヤモンドに比べて価格がはるかに安いため、ダイヤモンドの代わりに用いられることが多く、装飾品をはじめ、様々な用途で人気を集めています。
立方晶ジルコニアは様々な色を作り出すことができます。無色透明のものだけでなく、赤色や青色、緑色など、虹のように様々な色の石を作ることが可能です。これは、製造過程で微量の金属酸化物を加えることで実現できます。例えば、クロムを加えると緑色に、コバルトを加えると青色になります。このように色のバリエーションが豊富なのも、立方晶ジルコニアの魅力の一つです。透明度が高く、美しい輝きを持ち、様々な色を表現できる立方晶ジルコニアは、装いを華やかに彩る上で、なくてはならない存在になりつつあります。