
犬の首輪型ネックレスの魅力
犬の首輪に似た形をした装飾品、犬の首輪型飾り。首にぴったりと沿う形が特徴的で、19世紀の終わりから20世紀の初めにかけてイギリスで大流行しました。その流行のきっかけを作ったのが、当時のデンマーク王妃アレクサンドラだと言われています。
アレクサンドラ王妃は、首に傷跡があったと伝えられています。その傷跡を隠すために、王妃は様々な首飾りを身に着けていました。王妃はすらりと伸びた美しい首で有名で、その長さを際立たせるかのように、宝石をちりばめたリボンや、真珠、ガラス玉などを連ねた首飾りを好んでいました。特に、首にぴったりと沿うタイプの首飾りは、傷跡を隠すだけでなく、王妃の優雅な首元をより一層美しく見せる効果がありました。
王妃のこの装いが、人々の注目を集め、犬の首輪型飾りの流行に火をつけたと考えられています。当時、王妃のファッションは多くの女性たちの憧れであり、王妃が身に着けたものはたちまち流行となるほど、絶大な影響力を持っていました。犬の首輪型飾りは、王妃の気品と美しさを象徴するアイテムとして、瞬く間に広まり、社交界の女性たちの間で必須の装飾品となりました。
現在では、首にぴったりと沿う幅広の飾り全般を犬の首輪型飾りと言うことが多く、素材やデザインも様々です。宝石や貴金属を使った豪華なものから、リボンや革紐を使ったシンプルなものまで、幅広い種類が作られています。時代とともに素材やデザインは変化しつつも、首にぴったりと沿うという基本的な形は変わらず、現代においてもなお、多くの女性たちに愛される装飾品として、その存在感を示しています。