レッド系 カーネリアンの魅力:歴史と神秘
カーネリアンは、玉髄(カルセドニー)という鉱物の一種です。まるで蜜蝋を思わせるような、温かみのある赤色や橙色が特徴で、光にかざすと半透明に輝きます。同じ玉髄の仲間である瑪瑙(めのう)のように、赤と橙の縞模様を持つものもあります。この美しいガラスのような光沢と半透明の質感が、多くの人々を魅了してきた理由の一つです。カーネリアンは石英の仲間で、その色味は含有される酸化鉄によるものです。微量の酸化鉄が混じることで、淡い橙色から鮮やかな赤色まで、様々な色合いが生まれます。宝石商の間では半貴石に分類され、その歴史は驚くほど古く、新石器時代初期まで遡ります。古代の人々は、この美しい石を宝飾品としてだけでなく、護符としても大切にしていました。主な産地はインドネシア、ブラジル、ロシアのシベリア地方、そしてドイツです。これらの地域で産出されるカーネリアンは、それぞれ微妙に色味や模様が異なり、世界中のコレクターを魅了しています。特にブラジル産のカーネリアンは、その鮮やかな赤色が珍重されています。カーネリアンは何千年もの間、宝飾品として愛されてきました。古代エジプトでは、ツタンカーメン王の墓からもカーネリアンで作られた装飾品が発見されています。また、聖書に登場する「ヨハネの黙示録」に記された天の都の描写にある赤い石は、カーネリアンではないかという説もあります。現代でも、その人気は衰えることなく、ペンダント、指輪、ブレスレットなど、様々な宝飾品に使われています。特に、金や銀との相性は抜群で、落ち着いた輝きが互いを引き立て合います。
