ダイヤモンド 希少な輝き、オーストラリアダイヤモンド
オーストラリアダイヤモンドと聞けば、多くの人は華やかな桃色の宝石を思い浮かべるでしょう。確かに、オーストラリアは桃色ダイヤモンドの産地として世界中に知られています。しかし、オーストラリアで採掘されるダイヤモンドの大半は、宝石としての価値を持たない工業用ダイヤモンドです。宝石として使える質の高いものは全体のほんの5~6%ほどと大変少なく、その希少性から特別な輝きを放っています。オーストラリアでダイヤモンドが採掘されるようになったのは、比較的最近のことです。本格的な商業生産が始まったのは1982年、アーガイル鉱山が開かれてからです。この鉱山は、一時、世界で最も多くダイヤモンドを産出する鉱山となり、世界のダイヤモンド市場に大きな影響を与えました。2020年に閉山するまで、世界中の宝飾店に美しいダイヤモンドを供給し続けました。アーガイル鉱山では、桃色ダイヤモンド以外にも、無色透明なものや、黄色、茶色など様々な色のダイヤモンドが採掘されます。しかし、やはり桃色ダイヤモンドの存在感は際立っています。特に、鮮やかな濃い桃色のダイヤモンドは「ファンシービビッドピンク」と呼ばれ、極めて希少で、世界中のオークションで高値で取引されています。桃色ダイヤモンドの色の濃淡は、窒素原子を含む結晶構造の変化によるものと考えられています。オーストラリアのダイヤモンドは、その希少性と美しさから、収集家や投資家からも高い人気を誇っています。特に、アーガイル鉱山が閉山したことで、今後さらに希少価値が高まると予想されています。桃色の輝きは、多くの人々を魅了し続けているのです。
