
世界最大のダイヤモンド:ゴールデンジュビリー
1985年、南アフリカにあるプレミア鉱山で、驚くべき発見がありました。それは、のちにゴールデンジュビリーダイヤモンドと名付けられる、巨大な褐色の原石でした。その重さは、なんと545.67カラット。グラムに換算すると109グラムを超え、発見当時はもちろん、カットと研磨を経て現在に至るまで、世界最大のダイヤモンドとして君臨しています。
このとてつもない大きさを想像してみてください。現在、世界で二番目に大きいとされるダイヤモンド、カリナンIと比べても、15カラット以上も大きいのです。まさに、地球が気の遠くなるような歳月をかけて生み出した、奇跡の結晶と言えるでしょう。ゴールデンジュビリーダイヤモンドは、その大きさだけでなく、褐色という点でも独特の魅力を放っています。一般的なダイヤモンドは無色透明であることが多い中、この褐色は、ダイヤモンドが生成される過程で取り込まれた微量な窒素が原因とされています。この褐色は、ダイヤモンドの深みと輝きを一層引き立て、見る者を魅了してやみません。
プレミア鉱山は、20世紀を通して数々の著名なダイヤモンドを産出してきた、いわばダイヤモンドの聖地です。カリナンI、テイラーバートン、センテナリーダイヤモンドなど、歴史に名を刻む数々の名鑽が、このプレミア鉱山から発見されています。ゴールデンジュビリーダイヤモンドの発見は、プレミア鉱山の輝かしい歴史に、さらに新たな1ページを刻むこととなりました。まさに、歴史的発見と呼ぶにふさわしい出来事でした。ゴールデンジュビリーダイヤモンドは、その大きさと美しさ、そして歴史的背景から、世界で最も貴重な宝石の一つとして、大切に保管されています。