ベルメイユ

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技術

金張り銀の魅力:ベルメイユ入門

ベルメイユとは、銀の表面に金を薄く被せる技法のことです。フランス語で「金 vermeil」を意味する言葉から来ています。この技法を用いることで、見た目は金と変わらない豪華さを持ちながら、素材として銀を使うため、金よりもはるかにお手頃な価格で提供できるという利点があります。「銀に金を着せたもの」という意味で「銀メッキ」と呼ばれることもありますが、一般的な銀メッキとは異なり、ベルメイユには厳しい基準が設けられています。まず、土台となる金属は、純銀またはスターリングシルバー(銀の含有率92.5%以上の合金)といった高品質な銀を使わなければなりません。この銀の土台に、金を薄い膜のように丁寧に被せていきます。金と銀をしっかりと結合させるためには、電気の力を利用して化学変化を起こす「電気メッキ」という方法が用いられます。特にアメリカ合衆国では、ベルメイユと表示できる製品には明確な基準が定められており、金の厚さは2.5ミクロン(1ミクロンは1000分の1ミリメートル)以上、金の純度は10金(金の含有率41.7%)以上でなければなりません。この基準を満たさないものは、ベルメイユとは呼べません。金を使った装飾技法には、金メッキや金張りなど他にも様々な種類がありますが、ベルメイユはこれらの技法に比べて金の層が厚いことが特徴です。そのため、より高級感があり、金の輝きも長く保てます。また、耐久性にも優れており、剥がれにくいという利点もあります。特別な日のおしゃれにも、普段使いにも、長く愛用できる素材と言えるでしょう。