単色光

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基準

宝石と単色光の関係

私たちの周りには、太陽や電灯など、様々な光源があります。これらの光は、一見白く見えますが、実は複数の色の光が混ざり合ったものです。雨上がりの空にかかる虹を思い出してみてください。赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の七色が美しく並んでいます。これは、太陽の光が空気中の水滴によって屈折し、異なる波長の光に分かれることで見える現象です。このように、複数の色の光が混ざり合っている光を多色光と言います。一方、単色光とは、一つの色だけで構成された光のことです。特定の波長のみで構成されているため、多色光のように色が混ざっている光とは異なり、純粋な色として認識されます。身近な例では、レーザーポインターから発せられる赤い光や、特定の物質を燃やした時に発生する光が挙げられます。例えば、ナトリウムを燃やすと鮮やかな黄色の光が、リチウムを燃やすと濃い紅色の光が放たれます。これらの光は特定の波長で構成されているため、単色光なのです。この単色光は、宝石の発色において非常に重要な役割を担っています。宝石の中には、特定の波長の光を吸収し、残りの光を反射または透過することで美しい色を放つものがあります。例えば、ルビーは赤い光を反射し、それ以外の光を吸収するため、赤く見えます。この時、ルビーに単色光を当てると、その光の波長によってルビーの色合いが変化したり、輝きが増したりすることがあります。宝石の持つ特性と単色光の相互作用によって、私たちの目に映る宝石の美しさは大きく左右されるのです。