有機宝石

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真珠の魅力:有機宝石の神秘

真珠は、海にすむ貝が生み出す、宝石とされるものです。宝石の中でも、鉱物ではなく生物由来である点が、真珠を特別なものにしています。鉱石のように地面から掘り出すのではなく、生きた貝の中から採取されます。真珠の成り立ちを見ていくと、まず、貝の中に砂粒などの小さな異物が入ることがきっかけとなります。貝にとって、この異物は体にとって刺激となるため、貝は自分の体を守るために、異物を包み込む物質を分泌し始めます。この物質は真珠層と呼ばれ、真珠層の主成分は炭酸カルシウムでできています。炭酸カルシウムは、鉱物界では方解石や霰石といった形で存在しますが、真珠層では霰石という結晶構造を持っています。顕微鏡で見ると、真珠層はレンガを積み重ねたように、薄い層が何層にも重なっているのが分かります。この薄い層の一つ一つが、貝が分泌した真珠層で、まるで何枚もの布を丁寧に重ねて仕立てた着物のようです。この層が何年もかけて積み重なることで、美しい光沢を持つ真珠ができあがります。天然真珠の場合、真珠の形成には長い年月がかかります。貝の種類によって異なりますが、貝の寿命と同じくらい、つまり8年ほどかかる場合もあります。そのため、天然真珠は非常に希少で、古くから高価な装飾品として珍重されてきました。養殖真珠の場合は、人の手で核となる異物を貝の中に挿入することで真珠の形成を促します。これにより、天然真珠よりも短い期間で真珠を採取することが可能になります。真珠の色は、貝の種類や生育環境、含まれる微量な成分によって異なり、白、ピンク、クリーム、黒など、様々な色合いがあります。また、形も様々で、一般的に丸い形が最も価値が高いとされていますが、雫のような形やいびつな形など、個性的な形も存在します。これらの様々な色や形も、真珠の魅力の一つと言えるでしょう。