厄除・魔除け 黒の輝き: オニキスの謎
黒曜石のような漆黒の輝きを放つ石、オニキス。その名前の由来を探ると、意外な事実が見えてきます。オニキスと聞くと、多くの人が黒瑪瑙(くろめのう)という和名を思い浮かべ、瑪瑙(めのう)の一種だと考えるでしょう。しかし、実はオニキスは瑪瑙とは異なる石なのです。瑪瑙は、英語でアゲートと呼ばれ、幾重にも重なる縞模様が最大の特徴です。まるで自然が描いた絵画のように、美しい層が私たちの目を惹きつけます。一方、オニキスは一般的に漆黒一色で、瑪瑙のような縞模様は見られません。これは、オニキスが瑪瑙ではなく、玉髄(ぎょくずい)という石の仲間だからです。玉髄は、瑪瑙と同じく石英の仲間で、構成要素もよく似ています。しかし、瑪瑙とは異なり、模様がないことが大きな違いです。オニキスは、まさにこの玉髄の一種で、黒い色の玉髄のことを指します。名前の由来をたどると、ギリシャ語で「爪」または「指の爪」を意味する言葉に行き着きます。これは、オニキスの色が、人の爪の色を連想させることに由来すると言われています。このように、オニキスと瑪瑙は、見た目は似ていても、異なる鉱物です。名前の由来を紐解くことで、その違いがより明確になります。オニキスの深い黒色は、古代から魔除けや厄除けのお守りとして、また装飾品として人々に愛されてきました。その歴史と名前の由来を知ることで、オニキスを一層深く味わうことができるでしょう。まるで夜空のような黒色は、神秘的な魅力にあふれ、私たちを魅了し続けています。
