
神秘の黒:ブラックマトリックスオパール
石の世界は実に様々で、同じ名前で呼ばれていても、その成り立ちや成分によって大きく異なることがあります。例えば、ブラックマトリックスオパールを考えてみましょう。この石は、その名の通り、黒色の母岩の中に虹色に輝くオパールが閉じ込められたような、神秘的な姿をしています。
この黒い母岩は、多くの場合、砂岩です。砂岩とは、砂が固まってできた岩石のことです。つまり、ブラックマトリックスオパールは、オパールと砂岩という二つの異なる岩石が組み合わさってできた石なのです。このオパールと砂岩の割合によって、石の正式な分類が変わってきます。オパールの含有量が多い場合はオパールに分類され、逆に砂岩の割合が多い場合はオパールを含んだ砂岩として扱われます。このように、一見同じように見えるブラックマトリックスオパールでも、含まれる鉱物の割合によって、鉱物学的には異なる石となることがあるのです。これが、ブラックマトリックスオパールをより複雑で、魅力的なものにしていると言えるでしょう。
さらに、同じブラックマトリックスオパールであっても、含まれるオパールの量や輝き方、模様の出方は千差万別です。オパールの含有量が多いほど、虹色の輝きは鮮やかになり、石の価値も高くなります。また、オパールが母岩の中でどのように分布しているかによっても、一つ一つの石の表情は大きく変わります。まるで夜空に輝く星のように、細かく散りばめられたオパールもあれば、大きな塊となって力強く輝くオパールもあります。このように、ブラックマトリックスオパールは、自然が生み出した芸術作品と言えるでしょう。同じものは二つと存在しない、まさに世界に一つだけの宝石なのです。