耐熱性

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金属系

タングステン:驚異の金属

タングステンは、元素記号Wで表される、原子番号74番の元素です。周期表では第6周期、第6族に位置し、クロムやモリブデンと同じ族に属しています。金属としては灰白色の光沢を持ち、重く硬い性質を持っています。比重は19.3と高く、金や鉛よりも重いです。タングステンの最も特筆すべき性質は、その高い融点です。摂氏3422度という融点は、あらゆる元素の中で最も高く、この高温に耐える性質が様々な分野での応用を可能にしています。さらに、沸点も摂氏5930度と非常に高く、これもまた既知の元素の中で最高値です。この驚異的な耐熱性から、高温環境下での使用に最適な材料と言えるでしょう。タングステンの用途は多岐に渡ります。高い融点と耐熱性から、白熱電球のフィラメントとして広く知られています。高温でも蒸発しにくいため、長寿命の電球を実現できます。また、電気抵抗も比較的高いため、電気を流すと発熱し、明るく光るのです。その他にも、タングステンは合金の材料としても重要です。鉄やニッケル、コバルトなどと混ぜることで、非常に硬くて強い合金を作ることができます。これらの合金は、工具や金型、切削工具などに利用され、工業分野で重要な役割を担っています。また、近年では、電子部品や航空宇宙産業など、先端技術分野での需要も高まっています。このように、タングステンは高い融点と耐熱性、そして様々な合金への応用可能性から、現代社会において必要不可欠な金属と言えるでしょう。今後も更なる研究開発によって、新たな用途が見出されることが期待されています。