金属アレルギー

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クロム:装飾品への利用は?

クロムは、自然界に広く存在する金属元素の一つです。美しい銀白色の光沢を放ち、硬くて丈夫な性質を持つため、様々な分野で活用されています。純粋なクロムは非常に脆く、加工が難しいという特徴があります。そのため、装飾品としてそのまま用いられることは稀です。クロムの持つ美しい光沢を活かすために、他の金属に薄い膜としてコーティングする「めっき」という技術が広く用いられています。 クロムめっきは、光沢の美しさに加え、硬度が高く傷つきにくい、耐食性に優れているといった利点があります。そのため、自動車部品や工具、台所用品など、様々な製品の表面処理に利用されています。また、その美しい輝きは高級感を演出するため、時計やアクセサリーなどにも応用されています。 しかし、装飾品への利用に関しては、一部でアレルギー反応の報告があります。金属アレルギーの中でも、ニッケルアレルギーは特に多く、アメリカでは人口の10~20%がニッケルアレルギーを持っているとされています。ニッケルアレルギーの方は、ニッケルを含む金属が皮膚に触れると、かぶれやかゆみなどの症状が現れます。重症化すると、医療機関での治療が必要となる場合もあります。クロムめっきを行う際に、ニッケルを下地として使用することがあるため、ニッケルアレルギーを持つ方にとっては注意が必要です。 近年では、金属アレルギーを持つ方々への配慮から、ニッケルフリー素材の装飾品の人気が高まっています。そのため、装飾品へのクロムめっきは、アレルギー反応のリスクを考慮すると、市場規模は限定的と言えます。宝飾職人たちは、アレルギー反応を引き起こしにくい素材を用いた装飾品の製作に力を入れており、安全で美しい装飾品が求められています。
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真鍮の魅力:金色に輝く合金

真鍮は、銅と亜鉛を混ぜ合わせて作る金属です。真鍮の特徴は、美しい黄金色をしていることです。この鮮やかな輝きから、昔から人々に愛され、装飾品をはじめ様々な物に使われてきました。 真鍮の色や硬さは、銅と亜鉛の混ぜ合わせる割合を変えることで調整できます。銅を多く入れると、赤みがかった金色になり、亜鉛を多く入れると、淡い金色になります。 真鍮は他の金属と比べて値段が安いという利点もあります。そのため、宝飾品だけでなく、様々な用途で使われています。例えば、楽器。特に金管楽器ではよく使われています。柔らかく温かみのある音が出せるのは真鍮ならではの特徴です。また、水道の蛇口やドアノブなどの日用品にも使われています。毎日使うものだからこそ、丈夫で美しい真鍮が選ばれているのです。さらに、建物の装飾にも使われています。豪華な雰囲気を演出できることから、古くから建築材料として重宝されてきました。 真鍮は加工しやすいという特徴も持っています。薄く伸ばしたり、型に流し込んで様々な形にしたりすることが容易にできます。そのため、複雑な形の製品を作るのにも向いています。 さらに、真鍮は錆びにくいという長所もあります。錆びにくいということは、屋外で使う物にも適しているということです。雨風にさらされても劣化しにくいため、建物の外壁などに用いられることもあります。